敬語というのは、自分では正しいと思って使っていても、実は間違っていたということもあるかもしれません。それにプライベートでは良くても、目上の人や取引相手に使うにはふさわしくないケースがあります。

丁寧語や尊敬語、謙譲語を使い分けて、相手や場面によって敬語を使い分けなければいけません。ここで、使われる頻度の高い敬語を一部紹介します。「する」や「行う」という状況では、尊敬語は「なさる」「される」が正しく、謙譲語では「させていただく」や「いたす」になります。

「言う」という動詞であれば、尊敬語は「おっしゃる」「言われる」になり、謙譲語なら「申す」「申し上げる」になるのです。「行く」という場合では、尊敬語は「いらっしゃる」か「おいでになる」であり、謙譲語になると「うかがう」や「参上する」「参る」と言います。

また、”若者敬語”はいけません。「~のほうをいただけますか」などと無意味に「~のほう」とつける若い方がいます。しかし正しいのはシンプルに「~をいただけますか」です。それに「お茶になります」という言い回しをする方も多いですが、表現がまわりくどくて相手が混乱してしまうことがあるでしょう。

このケースでは、「お茶です」と断定して言うのが正しいです。さらに「五千円からお預かりします」という表現も多く使われているものの、こちらも「五千円お預かりします」の方が相手は理解しやすいです。

そして、間違えやすい敬語の表現もあります。ありがちなのは、自分自身に尊敬語を使うことや、二重表現をすることです。例えば、社内において「先ほど~がご説明いたしましたが」などと言うことがあります。

しかしこれは、「先ほど~がご説明なさいましたが」が正解です。通常であれば「ご~いたす」という表現は自分もしくは身内の者の行動について使います。それに社外の場合は、「詳細は受付の者にうかがってください」と言ったなら、正しくは「詳細は受付の者におたずねください」です。

「うかがう」というのは「聞く」の謙譲語となっていて、自分が誰かに「聞く」時に使うものなので、覚えておきましょう。それ以外の表現では、「お世話様です」は相手を下に見ていることになり、「お世話になっております」が正しいです。

また「お客様がおいでになられました」も二重敬語であり、「お客様がおいでになりました」が正しくなります。さらにビジネス用語で誤用しやすいものがありますので、覚えておくのが大事です。

『青田買い』は採用試験を行っている期間ではない時期に、卒業していない学生を内定させることを指しますが、『青田刈り』になると実らないうちに稲を刈り取ることを意味するので、間違って使わないようにしましょう。

続いて『頭ごし』であれば間に立つ人を差し置き直に相手に働きかけることですが、誰の言い分を聞くこともなく、態度が高圧的であることを『頭ごなし』と言います。こうした違いにも、十分気を付ける必要があるのです。